
認知症認定看護師の必要性と資格
認知症看護のスペシャリストである「認知症認定看護師」は熟練した看護スキルや豊富な知識を兼ね備えています。まだまだ数はそれほど多くありませんが、認知症患者が増えることが予想されているため今以上に需要も高まっていくことでしょう。
「認知症認定看護師」とは?
21の分野が特定されている認定看護師の中のひとつです。認知症について、一定の知識や技術、経験を持ち、専門の教育機関で深く学んだ人だけがこの資格を取得することができます。高い専門知識に基づいて、認知症看護の現場で熟練した看護を行ったり現場で指導したりします。
認知症認定看護師は認知症看護の質の向上を目指して、日本看護協会が2006年に設定した資格です。当初は10名ほどしかいなかった認知症認定看護師ですが、全国に教育機関が開講したことで2017年には1,003人まで増えています。

認知症認定看護師が必要な理由
認知症の症状は適切に対応すれば症状を緩やかにすることができますが、そのためには正しい知識や熟練したスキルが必要です。しかし、残念なことに看護の現場ではそのような知識やスキルを持った人材が不足しています。正しい看護が実践できるだけでなく後進の育成もできる認知症認定看護師の認知症看護の現場に欠かせない存在として需要が高まっています。

資格を取得するのに3年かかる
認知症認定看護師の資格を取得するためには5年以上の臨床経験(うち3年以上は認知症看護の経験)を持つ看護師が専門の教育機関で6ヶ月間学習した後、試験を受け、合格したら認知症認定看護師の資格を取得できます。
日本看護協会のサイトでは認知症看護の概要から学科の特徴やカリキュラム、卒業生の声を紹介しています。各科目の詳細も記載されていますので、どのようなことを学ぶのか想像しながら確認してみてください。
サイトを見る

今後の活躍に期待
認知症認定看護師は2006年にスタートしたばかりのまだ新しい資格です。全国でもまだ1,003名ほどしかいないため病院や介護施設で直接会う機会はそれほど多くないでしょう。しかし、認知症認定看護師の需要の高まりに応じて受験者の数は年々増加しています。受験者数が増えることは病院や介護施設などの現場で活躍する認知症認定看護師の数の増加にもつながるため、看護の質や認知症患者の生活の質も向上していくことでしょう。
認知症介護の現場には様々な経験を積んで上手な対応を身につけた介護職員の方もたくさんいますが、認知症の発症メカニズムや病態を熟知し、様々な症状を考慮した上で適切な対応をできるのは認知症認定看護師だけです。患者やご家族にとっては医師よりも身近な存在なので、これまで医師に相談していたことや悩みもより気軽に相談できます。
